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MK(もう略した)4です。まだ決着がつかない(爆)
余談ですがうちのおとん(父)は東京在住ですが、勤務先が名古屋です。
なので、通勤は東海道上官にお世話になってます。毎週。
それだけでも羨ましい(爆)のに、今週は出張で新潟行くんだそうです。
上越上官ですよ、上越!
ああもう私なんてまだ1回も乗ったことないのに(爆)
ちょっと悔しかったので「新潟土産はいらないから上越新幹線土産を
買ってこい」と言ってみたりしました(笑)。ものっそい不思議な顔をしてました。
そりゃそうだろう、今まで鉄道なんて興味のない子だったんだから(苦笑)。
さあ何を買ってくるんだろう(わくわく)。
余談ですがうちのおとん(父)は東京在住ですが、勤務先が名古屋です。
なので、通勤は東海道上官にお世話になってます。毎週。
それだけでも羨ましい(爆)のに、今週は出張で新潟行くんだそうです。
上越上官ですよ、上越!
ああもう私なんてまだ1回も乗ったことないのに(爆)
ちょっと悔しかったので「新潟土産はいらないから上越新幹線土産を
買ってこい」と言ってみたりしました(笑)。ものっそい不思議な顔をしてました。
そりゃそうだろう、今まで鉄道なんて興味のない子だったんだから(苦笑)。
さあ何を買ってくるんだろう(わくわく)。
「………ずいぶん熱心なアドバイスだね」
ドアを閉めるなり、突然横からひやりとした声がかけられ、思わず京浜東北は身を竦めた。
首を捻るとすぐ真横に作り笑顔の長身が壁にもたれかかりながら立っている。もっとも、顔は確かに「笑顔」だがその目は明らかに好感は持たれていない。
先程の十数分で一週間分くらいの気苦労を背負う羽目になった張本人がそこにいるのに、京浜東北は溜息をつくとじろりと睨み上げた。
「……立ち聞きかい?趣味が悪いね」
「心外だなぁ。部屋に入ろうと思ったら深刻な話をしてるっぽいから、遠慮してたんじゃないか」
「その深刻な事態を生み出したのはどこの誰だかね」
「さあ?誰だろう。高崎も大変だね」
京浜東北のあからさまな皮肉にも宇都宮はしれっとして肩を竦めるだけたった。こうして自分と話している分には、宇都宮の様子はいつも通りでどこにも差し迫った色は見えないのだが。
京浜東北は今日何度目かの溜息をついて、親指の先で背後のドアを指し示した。
「いい加減どうにかしてやんなよ。雨雲背負って歩いて、かなりウザいよ」
「勿体ないなぁ。悩んでるところが可愛いのに」
「……悪趣味」
さも残念そうに瞼を伏せ小さく首を振る宇都宮に、京浜東北はやや侮蔑の意を込めて感想を述べた。まあそんなこと、宇都宮にしてみれば言われ慣れてることだろうが。
案の定宇都宮はそよ風でも受けたような顔で、白い目線を送る京浜東北に逆に問い返す。
「それにしたってキミがそんなにおせっかいだったとはね。ヒトのプライベートに踏み込むような真似はしないと思ってたけど」
「好きで関わったわけじゃないよ。あんな調子で業務中にボケッとしてて、事故でも起こしたらどうしてくれる?まず確実にキミは影響を受けるだろうね」
京浜東北はただの人の良さからだけで高崎の相談に乗っていたわけではない。無論落ち込んだ高崎を放っておけなかったことも事実だが、まどろっこしいやり取りにも辛抱強く応じていたのは、在来線まとめ役としての責任感からだ。
「ま、キミは自業自得かもしれないけど?こっちにまで飛び火されるのは御免蒙りたい。もし本当に高崎が事故ったら、直接原因が何であれ、僕はキミの所為だって報告書に書くよ」
「……それは困るなぁ」
宇都宮が少しだけ態度を改め、言葉短く同意する。ようやく事態を呑み込んでもらえたようだ。京浜東北は眼鏡の縁を指先で持ち上げズレを直すと、とにかく、と話を締めくくった。
「高崎へのちょっかいをやめるか、もしくは彼の精神が安定するように対処してくれる?―――まあキミ自身のためにも、そろそろケリはつけた方がいいと僕は思うけど」
そこで京浜東北は一呼吸置き、含みを持たせた響きで最後に一言付け加えた。
「欲求をあんまりタメこむのも、健康的じゃないし?」
「………ご忠告どうも、先輩」
「先輩扱いしてくれるならもっと普段から敬って欲しいね」
そう言い捨てて、京浜東北はひらひらと片手を振ると、宇都宮に背を向け駅のホームの方へと廊下を歩き出した。
ケリをつける…か。
青い制服の背中を少しだけ見送り、宇都宮は伏し目がちになると、深く息を吐いて目の前のドアノブに手をかけた。が、そのまま凍り付いたかのように、微動だにしなくなる。
京浜東北の言うように、決着をつける時期なのかも知れない。己の焦りから迂闊な行動に出て高崎とこじれてしまったが、逆にそれはこの長い片思いを終着駅に着ける好機でもある。それを他人に言われて実行するのは癪に障るけれど。
いや、別に指摘されたからだけじゃない―――自分でも、一度はそう考えた。だからこそ、高崎にあんな謎かけを―――キスの意味なんてものを、考えさせようとしたのだ。そうして自分の気持に気付いて、自分だけを見てくれたら。ただそれからあまりに高崎が情緒不安定になっているものだから、宇都宮の胸にも不安がよぎった。
「勝利」の見えない勝負には出たくない。面と向かって告白して、「ごめん」だなんて言われたりしたら―――考えただけで寒気がする。
それくらいならいっそ、「悪戯」の範囲内で高崎の注意を惹きつけておく方が、マシだ。
今までは、それでよかったのだ。自分の本当の欲望からはあまりに遠いけれど、ささやかに満足していた。
だが、あの男―――深緑の制服を着た上官が高崎に目を付けてから、状況が一変した。
あの男の本心が高崎にないのは知っている。だけど、退屈凌ぎや八つ当たり腹いせで高崎を玩具にされるのは、ましてやそのことで高崎の意識が彼に向けられるのは―――我慢がならない。
ならばヒトに奪られるくらいなら、自分のものにしてしまえ。
それは、宇都宮に初めて生まれた焦燥感、だった。
高崎を自分のものにしたからといってあの男のちょっかいを回避できるとは思えないが、少なくとも高崎の想いを縛り付けることはできる。
お前はボクのものだと。
高崎は単純で律儀だから、「恋人」というポジションができたら浮気をしてはいけない、と思い込むだろう。そうすれば何があろうと、いつでも彼は自分だけを見ている。
そうしたい、という欲望はある。
だが、肝心の高崎の心が読めない。あんなに単純でわかりやすいのに、どうしても最悪の結果予想を払拭できない。
その不安が、さしもの宇都宮をも葛藤させていた。
だが、もうここまで来たら決断するしかないのか。
ドアノブに手をかけたもののそのまましばらく固まっていた宇都宮はようやく顔を上げた。
ドアを閉めるなり、突然横からひやりとした声がかけられ、思わず京浜東北は身を竦めた。
首を捻るとすぐ真横に作り笑顔の長身が壁にもたれかかりながら立っている。もっとも、顔は確かに「笑顔」だがその目は明らかに好感は持たれていない。
先程の十数分で一週間分くらいの気苦労を背負う羽目になった張本人がそこにいるのに、京浜東北は溜息をつくとじろりと睨み上げた。
「……立ち聞きかい?趣味が悪いね」
「心外だなぁ。部屋に入ろうと思ったら深刻な話をしてるっぽいから、遠慮してたんじゃないか」
「その深刻な事態を生み出したのはどこの誰だかね」
「さあ?誰だろう。高崎も大変だね」
京浜東北のあからさまな皮肉にも宇都宮はしれっとして肩を竦めるだけたった。こうして自分と話している分には、宇都宮の様子はいつも通りでどこにも差し迫った色は見えないのだが。
京浜東北は今日何度目かの溜息をついて、親指の先で背後のドアを指し示した。
「いい加減どうにかしてやんなよ。雨雲背負って歩いて、かなりウザいよ」
「勿体ないなぁ。悩んでるところが可愛いのに」
「……悪趣味」
さも残念そうに瞼を伏せ小さく首を振る宇都宮に、京浜東北はやや侮蔑の意を込めて感想を述べた。まあそんなこと、宇都宮にしてみれば言われ慣れてることだろうが。
案の定宇都宮はそよ風でも受けたような顔で、白い目線を送る京浜東北に逆に問い返す。
「それにしたってキミがそんなにおせっかいだったとはね。ヒトのプライベートに踏み込むような真似はしないと思ってたけど」
「好きで関わったわけじゃないよ。あんな調子で業務中にボケッとしてて、事故でも起こしたらどうしてくれる?まず確実にキミは影響を受けるだろうね」
京浜東北はただの人の良さからだけで高崎の相談に乗っていたわけではない。無論落ち込んだ高崎を放っておけなかったことも事実だが、まどろっこしいやり取りにも辛抱強く応じていたのは、在来線まとめ役としての責任感からだ。
「ま、キミは自業自得かもしれないけど?こっちにまで飛び火されるのは御免蒙りたい。もし本当に高崎が事故ったら、直接原因が何であれ、僕はキミの所為だって報告書に書くよ」
「……それは困るなぁ」
宇都宮が少しだけ態度を改め、言葉短く同意する。ようやく事態を呑み込んでもらえたようだ。京浜東北は眼鏡の縁を指先で持ち上げズレを直すと、とにかく、と話を締めくくった。
「高崎へのちょっかいをやめるか、もしくは彼の精神が安定するように対処してくれる?―――まあキミ自身のためにも、そろそろケリはつけた方がいいと僕は思うけど」
そこで京浜東北は一呼吸置き、含みを持たせた響きで最後に一言付け加えた。
「欲求をあんまりタメこむのも、健康的じゃないし?」
「………ご忠告どうも、先輩」
「先輩扱いしてくれるならもっと普段から敬って欲しいね」
そう言い捨てて、京浜東北はひらひらと片手を振ると、宇都宮に背を向け駅のホームの方へと廊下を歩き出した。
ケリをつける…か。
青い制服の背中を少しだけ見送り、宇都宮は伏し目がちになると、深く息を吐いて目の前のドアノブに手をかけた。が、そのまま凍り付いたかのように、微動だにしなくなる。
京浜東北の言うように、決着をつける時期なのかも知れない。己の焦りから迂闊な行動に出て高崎とこじれてしまったが、逆にそれはこの長い片思いを終着駅に着ける好機でもある。それを他人に言われて実行するのは癪に障るけれど。
いや、別に指摘されたからだけじゃない―――自分でも、一度はそう考えた。だからこそ、高崎にあんな謎かけを―――キスの意味なんてものを、考えさせようとしたのだ。そうして自分の気持に気付いて、自分だけを見てくれたら。ただそれからあまりに高崎が情緒不安定になっているものだから、宇都宮の胸にも不安がよぎった。
「勝利」の見えない勝負には出たくない。面と向かって告白して、「ごめん」だなんて言われたりしたら―――考えただけで寒気がする。
それくらいならいっそ、「悪戯」の範囲内で高崎の注意を惹きつけておく方が、マシだ。
今までは、それでよかったのだ。自分の本当の欲望からはあまりに遠いけれど、ささやかに満足していた。
だが、あの男―――深緑の制服を着た上官が高崎に目を付けてから、状況が一変した。
あの男の本心が高崎にないのは知っている。だけど、退屈凌ぎや八つ当たり腹いせで高崎を玩具にされるのは、ましてやそのことで高崎の意識が彼に向けられるのは―――我慢がならない。
ならばヒトに奪られるくらいなら、自分のものにしてしまえ。
それは、宇都宮に初めて生まれた焦燥感、だった。
高崎を自分のものにしたからといってあの男のちょっかいを回避できるとは思えないが、少なくとも高崎の想いを縛り付けることはできる。
お前はボクのものだと。
高崎は単純で律儀だから、「恋人」というポジションができたら浮気をしてはいけない、と思い込むだろう。そうすれば何があろうと、いつでも彼は自分だけを見ている。
そうしたい、という欲望はある。
だが、肝心の高崎の心が読めない。あんなに単純でわかりやすいのに、どうしても最悪の結果予想を払拭できない。
その不安が、さしもの宇都宮をも葛藤させていた。
だが、もうここまで来たら決断するしかないのか。
ドアノブに手をかけたもののそのまましばらく固まっていた宇都宮はようやく顔を上げた。
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