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Meaning of kiss 続きです。一応、1つの区切りとして1と2がセット、3(ともしかしたら4)がその後、というセットになります。話自体は続いてるんですが(苦笑)。
例によってまたブログでは長い分量です(苦笑)申し訳ありません。元々ブログSS書きじゃないので(汗)、長い文章量に慣れちゃってるんです。
キスシーンが出てきますので、プラトニックなうつたかをご希望の方はここで引き返すことをおすすめします。
例によってまたブログでは長い分量です(苦笑)申し訳ありません。元々ブログSS書きじゃないので(汗)、長い文章量に慣れちゃってるんです。
キスシーンが出てきますので、プラトニックなうつたかをご希望の方はここで引き返すことをおすすめします。
幾分同情を含んだ京浜東北の眼差しに見送られながら、高崎は宇都宮に手を引かれ屋上から昇降口まで、歩くテンポが合わずにつっかえつつ歩いた。
「宇都宮ぁ…」
不安と緊張で情けない声で、目の前を歩く男の名を呼ぶ。だが宇都宮はちらりとも振り返りはしなかった。手を引かれているのに、橙色の広い背中が自分を拒絶しているようで哀しくなる。
その背中がくるりと向きを変え、面と向き合ったのは昇降口のドアを開け、高崎の後ろで閉まった瞬間だった。
振り向いた宇都宮の顔からは笑みが消えていた。漆黒の瞳が怖いくらいに自分を見据えているのを認識する暇もなく、乱暴にドアに押しつけられ、高崎は背中の痛みに顔を顰めた。
ガシャン、と金属の扉が派手な音を立てる。外にいる京浜東北は驚いただろう。
「宇都、み…っ」
その一瞬だけ恐怖を忘れ文句を言おうとした高崎は、間髪入れず開きかけた唇に何かがぶつかってきて、その言葉を封じられた。
「ん、……う……っ」
唇の上で柔らかいものが動く。それが宇都宮にキスされている、と自覚するのにさほどの時間はかからなかった。
「ん、ん……っ!」
高崎はその身体で覆い被さるようにしてドアに自分を押しつける宇都宮の腕から逃れようともがいた。だが手首をガッチリと掴まれ、背後の扉に縫い付けられて、思うように力を出せない。腕力ならそう違いはないはずなのに、宇都宮の腕を振り解くことができなかった。
その間も宇都宮の唇は高崎の唇をきつく吸い上げてくる。口腔を舌が蹂躙し、逃げる高崎の舌を絡め取った。前に嫌がらせでキスされた時よりもはるかに荒々しい、濃密な口づけにジン、と高崎の脳が痺れてくる。
ようやく満足したのか、宇都宮の唇が離れ解放された時には、不覚にも腰が抜けて高崎はその場に座り込んでしまった。
「っ…てめ、何でこんなこと……!」
口許をぐい、と腕で拭いながら高崎は己を見下ろす宇都宮を睨み付けた。
「キミって奴は目を離すとすぐこれだからな。油断も隙もあったもんじゃない」
宇都宮は底冷えのする冷たい瞳で高崎を一瞥すると、忌々しそうにまるで答えになってない返事を吐き捨てた。
「な…どういう意味だよ、それ!ちょっと待ち時間で休憩してただけじゃないか!それのどこが悪いんだよ!」
いつもの毒のある言葉が、笑みがない分だけより刺々しく刺さる。わけもわからず連行されて、挙げ句また強引に唇を塞がれた高崎は、カチン、ときた。こめかみに筋を立てると、立ち上がり宇都宮の胸倉に掴みかかる。
「第一そんなのキスされる理由になんてなってないだろ!!何でこういう嫌がらせするんだよお前って奴は!!」
「嫌がらせ?」
すると、宇都宮にしては珍しく不機嫌な感情が表に出ていた表情に、薄い笑みが戻ってきた。だがそれはより一層冷たさを増した陰惨な笑みで、高崎は背筋を走る冷たいものに身を竦ませた。
「君は本当に単純で、愚かだね高崎」
宇都宮が氷の微笑を浮かべたまま、トン、と高崎の肩を押して再び壁に押しつける。最初の時より軽い力で押されたはずのそれは、しかし萎縮した高崎にとっては押し返すことが出来なかった。
本能が危機を察知し、恐怖で目眩がしそうになる。だが宇都宮の、まるで鋭利な刃物の切っ先をこちらに向けられているような気配に、高崎は身動きできなかった。深い黒闇の瞳に射竦められる。押し退けて逃げ出したいのに、指先さえ固まってしまったかのようだった。
真正面から見据えられた眼差しを、絡め取られた視線を、外すことさえできない。
やがてゆっくりと宇都宮の顔が面前に迫り、やんわりと唇を重ねられた。
先程よりは落ち着いた、しっとりと交わるような口づけ。唇を緩く食まれ、啄まれ、時折舌先でこじ開けられて口腔をまさぐられる。恐怖でがちがちになっている頑迷な口を、宥めすかして徐々に開かせた。
まるで蕾を丁寧に押し開くような唇の動きに、高崎はいつしか頭に靄がかかったようになり、瞼を閉じてただされるがままに宇都宮のキスを受け入れていた。
長い長い口づけがやんで唇が離れると、思わず高崎が溜息をついてしまう。
宇都宮は恍惚とした高崎の表情を見て少しだけ満足したのか、僅かに気配を緩め高崎の頬をするりと掌で撫でた。
「お馬鹿な高崎、なんでキスなんてされたのか、ちょっとは考えるといいよ」
そう言うと、宇都宮は高崎から離れ背を向けて、1人さっさと階段を降り始めてしまった。
放心状態で取り残された高崎は、我に返るとその背中に呼び掛ける。
「ちょ……待てって、宇都宮…!」
だが宇都宮は高崎の声に応じることはなく、踊り場でくるりと回ると階下に消えてしまった。
宇都宮の消えた階段を呆然と見つめながら、高崎は片手で頭を抱え込んだ。
「考えろって言われたって……」
なんで、宇都宮にキスされなければならないのか。宇都宮のタチの悪い悪戯ではないのか?
わからない、宇都宮の考えてることなんて。
昇降口の入口で、1人ぽつねんと立ち尽くした高崎は、遠くで発車チャイムが聞こえて全力疾走で駆け下りていくまで、その場で途方にくれていたのだった。
「宇都宮ぁ…」
不安と緊張で情けない声で、目の前を歩く男の名を呼ぶ。だが宇都宮はちらりとも振り返りはしなかった。手を引かれているのに、橙色の広い背中が自分を拒絶しているようで哀しくなる。
その背中がくるりと向きを変え、面と向き合ったのは昇降口のドアを開け、高崎の後ろで閉まった瞬間だった。
振り向いた宇都宮の顔からは笑みが消えていた。漆黒の瞳が怖いくらいに自分を見据えているのを認識する暇もなく、乱暴にドアに押しつけられ、高崎は背中の痛みに顔を顰めた。
ガシャン、と金属の扉が派手な音を立てる。外にいる京浜東北は驚いただろう。
「宇都、み…っ」
その一瞬だけ恐怖を忘れ文句を言おうとした高崎は、間髪入れず開きかけた唇に何かがぶつかってきて、その言葉を封じられた。
「ん、……う……っ」
唇の上で柔らかいものが動く。それが宇都宮にキスされている、と自覚するのにさほどの時間はかからなかった。
「ん、ん……っ!」
高崎はその身体で覆い被さるようにしてドアに自分を押しつける宇都宮の腕から逃れようともがいた。だが手首をガッチリと掴まれ、背後の扉に縫い付けられて、思うように力を出せない。腕力ならそう違いはないはずなのに、宇都宮の腕を振り解くことができなかった。
その間も宇都宮の唇は高崎の唇をきつく吸い上げてくる。口腔を舌が蹂躙し、逃げる高崎の舌を絡め取った。前に嫌がらせでキスされた時よりもはるかに荒々しい、濃密な口づけにジン、と高崎の脳が痺れてくる。
ようやく満足したのか、宇都宮の唇が離れ解放された時には、不覚にも腰が抜けて高崎はその場に座り込んでしまった。
「っ…てめ、何でこんなこと……!」
口許をぐい、と腕で拭いながら高崎は己を見下ろす宇都宮を睨み付けた。
「キミって奴は目を離すとすぐこれだからな。油断も隙もあったもんじゃない」
宇都宮は底冷えのする冷たい瞳で高崎を一瞥すると、忌々しそうにまるで答えになってない返事を吐き捨てた。
「な…どういう意味だよ、それ!ちょっと待ち時間で休憩してただけじゃないか!それのどこが悪いんだよ!」
いつもの毒のある言葉が、笑みがない分だけより刺々しく刺さる。わけもわからず連行されて、挙げ句また強引に唇を塞がれた高崎は、カチン、ときた。こめかみに筋を立てると、立ち上がり宇都宮の胸倉に掴みかかる。
「第一そんなのキスされる理由になんてなってないだろ!!何でこういう嫌がらせするんだよお前って奴は!!」
「嫌がらせ?」
すると、宇都宮にしては珍しく不機嫌な感情が表に出ていた表情に、薄い笑みが戻ってきた。だがそれはより一層冷たさを増した陰惨な笑みで、高崎は背筋を走る冷たいものに身を竦ませた。
「君は本当に単純で、愚かだね高崎」
宇都宮が氷の微笑を浮かべたまま、トン、と高崎の肩を押して再び壁に押しつける。最初の時より軽い力で押されたはずのそれは、しかし萎縮した高崎にとっては押し返すことが出来なかった。
本能が危機を察知し、恐怖で目眩がしそうになる。だが宇都宮の、まるで鋭利な刃物の切っ先をこちらに向けられているような気配に、高崎は身動きできなかった。深い黒闇の瞳に射竦められる。押し退けて逃げ出したいのに、指先さえ固まってしまったかのようだった。
真正面から見据えられた眼差しを、絡め取られた視線を、外すことさえできない。
やがてゆっくりと宇都宮の顔が面前に迫り、やんわりと唇を重ねられた。
先程よりは落ち着いた、しっとりと交わるような口づけ。唇を緩く食まれ、啄まれ、時折舌先でこじ開けられて口腔をまさぐられる。恐怖でがちがちになっている頑迷な口を、宥めすかして徐々に開かせた。
まるで蕾を丁寧に押し開くような唇の動きに、高崎はいつしか頭に靄がかかったようになり、瞼を閉じてただされるがままに宇都宮のキスを受け入れていた。
長い長い口づけがやんで唇が離れると、思わず高崎が溜息をついてしまう。
宇都宮は恍惚とした高崎の表情を見て少しだけ満足したのか、僅かに気配を緩め高崎の頬をするりと掌で撫でた。
「お馬鹿な高崎、なんでキスなんてされたのか、ちょっとは考えるといいよ」
そう言うと、宇都宮は高崎から離れ背を向けて、1人さっさと階段を降り始めてしまった。
放心状態で取り残された高崎は、我に返るとその背中に呼び掛ける。
「ちょ……待てって、宇都宮…!」
だが宇都宮は高崎の声に応じることはなく、踊り場でくるりと回ると階下に消えてしまった。
宇都宮の消えた階段を呆然と見つめながら、高崎は片手で頭を抱え込んだ。
「考えろって言われたって……」
なんで、宇都宮にキスされなければならないのか。宇都宮のタチの悪い悪戯ではないのか?
わからない、宇都宮の考えてることなんて。
昇降口の入口で、1人ぽつねんと立ち尽くした高崎は、遠くで発車チャイムが聞こえて全力疾走で駆け下りていくまで、その場で途方にくれていたのだった。
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