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紙/端/国体劇場(青/春/鉄/道)様の二次創作ブログ。 初めていらした方はまず「このブログについて」をごらんください。
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いい加減PCとうったん(ポメラ)の中のファイルが混然としてきたので、原稿を始めがてら整理をしました。
とりあえずCPと完成か未完成かで分けてたんですが、すると、完成してるんだけど自分がそれを何かに使った(例えばサイトにUPとかペーパーに使うとか)のか全く記憶にない話がちらほら…。
仕方がないので、サイトのSSページをひっくり返して、サイト掲載の形跡を探っていたところ。

今度はサイトに前編だけ載せて後編を載せてない話が…(苦笑)。

どんだけアホなんだか自分、て感じです。
お待ちいただいてたとしたら大変申し訳なかったです。いや、いないのかな、居れば誰か言ってくれてたかもしれないし(笑)「後半まだですか?」って。

話自体は出来上がってたんで、3ヶ月くらい間が空いてしまったんですが後半UPしとこうと思います。
ちなみにベッドの上のお題3 もう、待てない(うつたか)です。前編を忘れてしまった、という方はこちらから。
具体的な何かはしてないんですが、そういう関係前提、下ネタ?寄りです。

余談ですが、掲載忘れ話はサイトにUPされてました。1コだけ掲載はしてないみたいなんだけど、これからペーパーを探る予定。
基本、書き上がった話をどこにも載せないまま放置するってことはしてないはずなんだけどなぁ。

≪そしてどうでもいい放置情報≫
11/26(いい風呂)の日に上げようと思っていたうつたか風呂話は書きかけのまま放置中(爆)。
夏くらいからちびちび書いてるジュニ京は未だに終わらないのに、そこに陽海が絡んできて、サイトに上げるには長いので、もうどっかで本にしようかと目論んでいます(苦笑)。

 上官のありがたい計らいで予定よりも4時間ほど早く上野に帰り着いた宇都宮は、いくら時間が余ったとはいえ流石に疲労の溜まった身体でうろうろする気力はなく、真っ直ぐに宿舎へと帰宅した。
 そういえば高崎はどうしただろうか。23時に帰るとメールしたものの、結局その後予定が早まったことを宇都宮は高崎にメールしなかった。新幹線に乗れたのはいいが、上官が隣にいたため私用メールを打つのははばかられたのだ。
 帰り着いてしまってから今更連絡しても意味がないが、今の時間ならまだ夕飯は取っていないかもしれない。とりあえず荷物を置いてから、待ち合わせの連絡でもしよう。
 そう考えながら宇都宮は自室の鍵を取りだし、ドアノブに差し込んだ。
 と、そこで鍵が本来なら音を立ててロックが外れるはずが、まったく手応えがないことに気付く。それはつまり、すでに宇都宮の部屋は鍵がかかっていない、ということ。
 宇都宮は眉間に皺を寄せ首を捻った。
 出発前に自分は確かに鍵をかけて出ていった。と、いうことは不在の間に誰かが部屋の鍵を開けた、ということになる。そして出ていく時にかけ忘れていった。それが可能なのはただ一人。
 合鍵を持っている高崎だけだ。
 すなわち宇都宮のいない間に、高崎がこの部屋に侵入していた、ということになる。高崎なら確かに鍵のかけ忘れくらい有り得るが、しかし主のいない部屋で、彼は一体何をしていたのか。
 これは問い詰めなければなるまい。
 とはいえ、宇都宮もそれは今晩のお楽しみ、といったところでしか考えておらず。
 よもやまさか、高崎が今この時点で部屋にいるなどとは、微塵も想定していなかった。
 宇都宮がカチャリと扉を押し開くと、その向こうでドアの開閉音に気付いてこちらを振り向いた高崎の視線と、ばっちり目が合った。
「………高崎……?」
「……え、宇都宮……?」
 まだ勤務中であろうはずの高崎が自分の部屋にいることに宇都宮は驚いたが、それ以上に高崎の方が驚愕していたようだった。上半身は裸で、何故か片手にゴミ袋を提げたまま、高崎は彫像のように固まっていた。
「……何してるの、そんなカッコで」
 疑問だらけでどこから突っ込めばいいのか迷うが、ひとまず目についたところから宇都宮が冷静に指摘すると、茫然としていた高崎は魔法が解けたようにあわあわとその場で狼狽えた。
「え、だってお前23時くらいって…、何でこんな早いんだよ!」
「東北上官が新幹線に便乗させてくれてね、早く着いたんだけど」
「だったらそう連絡しろよ…っ!」
「メールした後で決まってねぇ、そんな暇もなくて。で、いない間にキミは人の部屋で何をしてるの」
「か…片付け…を…」
 ドアを閉め、室内を上がりながら宇都宮は部屋を見渡した。高崎は気まずそうに手にしていたゴミ袋を背に隠し、宇都宮から逃げるように部屋の隅へ移動する。
 確かに室内は散らかっていた。テーブルの上にはビールの空き缶、イスの背には複数の衣類が適当にかけられている。床にはさほど物は落ちていないが、ベッドは明らかに寝起きしたままの状態でシーツも掛け布団も乱れている。そこにも衣服が脱ぎ捨てられていた。
 高崎の言うようにこの状態では片付ける、と言うのも理解できなくはない。
 だが、問題はそこではない。
 重要なのは誰が、自分の部屋をこの状態にしたか、ということだ。
 当然だが宇都宮は自他共に認める綺麗好きで、出発前に部屋を汚くしたまま出張に出掛けることなど絶対にしない。そもそも、テーブルに空き缶を放置など普段でも有り得ない話だ。
となると、これも思い当たる犯人は一人しかいない。
 先程の鍵の件も相まって、高崎以外には考えられなかった。
「高崎」
「う…ん」
「どういう事か、説明してくれる?」
 くるりと向きを変え正面で向かいあった宇都宮が満面の笑顔を湛えているのに、高崎は身体が縮み上がり頭から血の気が引いていく音を聞いた。
「あ…あの、ちょっと前に、俺んとこのシャワーが、壊れて…シャワーだけ、借りようと思って……。でもこっち、居心地良くて…気付いたら寝ちゃって…」
 宇都宮の無言の威圧に怯えて、高崎がしどろもどろになる。
「ふぅん…で、人んちのビール飲んでベッドで寝て。あげく片付けもしないで快適に過ごしたわけだ」
「だ、だから…っお前が帰ってくる前に片付けておこうと思って…!」
「それで証拠隠滅してしまえばわからない、とでも?」
 言い訳がましく言い募る高崎に、宇都宮が冷たく切り捨てる。いつになくひやりとした声音に高崎はしゅん、と項垂れて肩を落とした。
「ご、ごめん…」
 すっかりしょげる高崎を視界に捕らえながら、宇都宮は深くため息をついた。
 長い出張から帰ってきて、せっかくだから高崎には笑顔で出迎えて欲しくてメールもしたのに、全て台無しになってしまった。おまけに当の高崎は俯いていて、笑顔とはほど遠い。これならまだ怒ってる方がましだ。
 宇都宮は黙ってテーブルに近付くと空き缶を片付けにかかる。片手に2本持つとキッチンのゴミ箱に放り込む。宇都宮が片付け出したのを見て、高崎も遅れて手伝い始めた。
 一緒に片付けとはいえ会話もなく、微妙に気まずい空気が流れている。高崎は宇都宮が怒っていると思っているらしく、すっかり気落ちしてしまったようだった。
 声をかけるどころかまだ「お帰り」すら言ってもらってない。
 かといって今更「ただいま」というのも機を逸してしまっていて、切り出せなかった。
 高崎がイスにかかっていた洗濯物をカゴに入れているうちに、ベッドのシーツを直す。と、サイドに置いている小さな屑箱に目が行き、宇都宮はシーツを直す手を止めた。
 シンプルな円柱の屑箱の底に沈んでいたのは、何かをくるむようにくしゃくしゃに丸められたティッシュ。
 それが意味するものを、同性である宇都宮が想像するのはけして難しくない。
「………高崎」
「な…に」
「これ」
 高崎がこちらを向くのを待って、宇都宮が屑箱を指差す。高崎の目線がその指先を追い、ワンテンポ間を置いてから手にしていたカゴをバタッと落とし、顔を真っ赤にしたことで、宇都宮の推測は裏付けられた。
「わー、違、それ、何でもな…!」
 焦りのあまり意味もなく喚きながら、高崎が駆けつけて宇都宮の視界から屑箱を隠すように間に割り込む。
 それが余計に真実を露呈していて、宇都宮はくすり、と口の端を釣り上げ揶揄するように高崎を見つめた。
「抜いたんだ」
 端的に指摘すると、図星を指されたらしく高崎はくるりと背を向けてしまった。宇都宮はその背中に忍び寄ると、腕を広げ高崎の身体を抱きしめた。
 腕の中に温もりと体躯の感触が広がる。ああ高崎だ、と認識した途端、愛おしさがこみ上げてきつく抱きしめた。
「ボクのベッドで、一人でしたんだ?」
「う、ううううるさいッ!」
 誤魔化そうにも物証が出てしまっては否定のしようがない。どもりながら怒鳴る高崎は耳まで真っ赤になっていて、宇都宮がその熟れた耳を囓ると、ひぁん、と小さな喘ぎ声が漏れた。
「ボクにされてるのを思い出しながら、自分で触ったの?」
「知らねぇよ…ッ!」
「だってここでしたんでしょ?知らないってことないよね、わざわざ人のベッド使って、そんなに寂しかったんだ?」
「お、覚えてねぇよ…っ!ただ普通に寝っ転がってたら、ここに一人で寝てるの変な気分だな…って思っただけ…で…」
 言いながら、自分でも恥ずかしいことを告白していると自覚したのだろう。最後はぼそぼそと消え入るように呟いて、高崎は頭を垂れた。
 高崎の告白に宇都宮は軽く目を瞠った。
 同じなのか、遠く東北の地で独り寝の時に宇都宮が感じた寂しさと。一人で眠ることにすでに違和感を覚えている、高崎もまた同じように感じていた。
 ここで、2人で一緒にいる時を思い浮かべながら、高崎が自分を慰めていた。
 そう想像した途端、こみ上げる衝動に突き動かされ、宇都宮は腕に収めた高崎の身体をベッドに押し倒した。
 そんな可愛いことを聞かされては、じっとしていられるはずがない。
 乱暴に転がされて顔を顰め、文句を言おうと口を開きかける高崎の唇を、言葉が紡がれる前に塞ぐ。じたじたと暴れる身体は、息もつけないほどの口づけに次第に大人しくなっていった。
「う、つ……」
 ようやく唇を離せば、とろりと潤んだ瞳が誘うように見つめてきて。
 欲しているのは自分だけではない、と言外に知る。
「今、すごく高崎に飢えてるんだ。だから補充させて」
 熱と艶を帯びた声でそう囁きかけると、こくりと高崎の頭が縦に揺れて、おずおずと首に両腕が掛かる。
「………俺、も、お前に飢えてる」
 抱き付いて顔を見せないようにしながら、か細く呟き応える高崎の声に、宇都宮は極上の微笑を浮かべるともう一度高崎の唇を奪いにかかるのだった。

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