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紙/端/国体劇場(青/春/鉄/道)様の二次創作ブログ。 初めていらした方はまず「このブログについて」をごらんください。
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週末にUPしようと思ったらウサギ…じゃない、たまご狩りで疲れて動けなかった(苦笑)
歳だよなぁ…ホント…。

前のSSと合わせて前半なのに拍手いただいてありがとうございました。
うん、反応あるととても嬉しい(笑)。次もやろうって気になります。
取って食ったりしませんので(笑)、お気軽にぽちっと押して貰えれば嬉しいです~。

さて後半です。前半殆ど上越+高崎だったんですが、後半でようやく東北上越とうつたか。
思うに、宇都宮は高崎のおかん度が増している気がします(笑)

そろそろうつたかのエロが書きたいなぁ。
ついったのフォロ友のさらにフォローを辿ってよいBLに出会ったので、なんか今書けそう。
…でもどこに出すんだろう…。

「…上越」
「………」
宿舎への帰り道を並んで歩きながら、東北は隣を歩く男の名を呼んだ。
しかし上越は唇をヘの字に曲げ、返事をしない。心なしか東北から顔を背けるように、外側に向けた。
高崎が宇都宮に助けを求め、宇都宮が上越対策に東北を呼び出したのはわかっている。それは理解しているが、部下の要請にほいほいと出てくる東北にも、その東北に敵わない自分にも全部まとめて腹が立った。そして宇都宮に自分の弱点が東北だと思われていることも。
すっかり臍を曲げている上越に、東北はため息を吐くと彼に近い方の手を上げてその頭をくしゃくしゃと撫でた。
「今日は構えなくて悪かった」
「…なんで東北が謝るのさ」
「今日、一日機嫌が悪かっただろう?だからってあんまり下を巻き込むな」
「…………」
穏やかに諭す東北の言葉に、上越は黙り込んだ。やはり見透かされている。今日は面と向かって話した覚えがないのに、遠目であってもこの男は自分の機嫌を把握しているのか。
自分以上に寡黙になる上越に、東北は掌に力を込めると、撫でていた上越の頭を自分の方に引き寄せた。
「次に誰かと飲みに行きたいと思ったら、俺に言え。一緒にいってやるから」
引き寄せられた東北の手の強さと、その言葉に上越の目が見開かれる。掌から東北の優しさが染み込んでくるようだった。
自然と表情が綻びそうになるのを、顔の筋肉で無理やり引き締めると上越はそっけなく言い返した。
「…だって君と飲みに行っても、君、黙ってるし。つまらないじゃない」
「…その分お前が話してるんだから、いいだろう」
「わかってないなぁ、2人とも黙り込んで場が暗くならないように、僕が気遣ってるんだよ」
そうぼやく上越の口調はだがまんざらでもない様子で、自分の頭に置かれた手を取ると、自分の手に絡めた。
「でもそうだな、今から一緒に飲んでくれるなら、考えてもいいよ」
「…お前散々飲んできた後だろう?」
「あんなのまだ序の口。君がお開きにしちゃったから、まだ飲み足りないんだよ。僕の部屋でいいからさ、付き合ってくれるでしょ?」
呆れ顔で見下ろす東北に、上越はにっこりと笑顔を向けると繋いだ手を引いて先を歩き出した。
ひとまず機嫌は直っているようで、東北は内心胸を撫で下ろした。上越の機嫌は見ればわかるが、それを直すのはなかなか骨が折れることなのだ。
言わなければならないことはまだあるが後回しにして、とりあえず今は上越の機嫌をまた損ねないように、東北は小さな溜息とともに引かれた手に従うのだった。


店を出た宇都宮はタクシーを捕まえると、乗り込んで帰宿した。居酒屋からは別に歩いて帰れない距離ではなかったが、高崎が歩ける状態ではなかったので仕方がない。後部座席に乗り込むと、案の定高崎は宇都宮の肩に頭を預け、すぐさま眠りの世界に誘われた。
タクシーが宿舎の前に着くと、宇都宮は高崎を起こし再び抱えて玄関を潜る。寝れば少しはすっきりするかと思いきや、余計足許が覚束なくなり、支えて歩くより抱き抱えてしまった方がいっそ楽にも思える。合鍵で高崎の部屋に上がりこむと、ベッドの上に酔っ払いを放り出した。
ひんやりとしたシーツに横たわった高崎は、心地よさそうに頬を摺り寄せるとそのまま微睡んだ。
今すぐにでも寝息を立てそうな高崎に、宇都宮はピシリとその頬を手の甲ではたいて起こす。
「ほら、制服は脱ぎなよ。皺になるよ」
「んー…」
だが高崎は宇都宮の忠告にも曖昧な返事をするだけで、一向に動こうとしない。宇都宮が起こそうと高崎の手を引くが、離した途端ぱたりとシーツの上に落ちた。
宇都宮はため息をつくと、ベッドの縁に腰掛け高崎を仰向けに転がして制服の襟に手をかけた。詰襟のホックを外し前を開くと、呼吸が楽になったのか高崎がふぅ、と息を吐く。
「ん……」
赤い顔をして胸元をさらけ出した高崎が、気持ちよさげに鼻に掛かった吐息を吐き出す。身体の熱を無意識に逃しているのか、小さくむずがる高崎の仕草に、宇都宮の喉が鳴った。本人にしてみれば無意識なるが故なのだろうが、普段情事の最中だってここまでしどけない姿を見せることは滅多にない。
 思わぬ目の保養、というか行きすぎて毒にもなる光景に宇都宮の目が細められる。
 宇都宮はさらにシャツの襟元にも手をかけると、慣れた手つきで上から順にボタンを外していった。制服と同様左右にはだけさせると、うっすらと赤みを帯びた肌が露出し、軽く上下していた。
宇都宮にしてみれば今日という日は最悪だった。途中まではごく普通の日常に過ぎなかったが、仕事を上がろうとした矢先に高崎から食事に行けなくなった、と断りのメールが入って、そこから情況が一変した。
よりにもよって上越が高崎を横取りしていった、その事に宇都宮の機嫌が急降下したのは言うまでもない。どうせまたあの体育会系馬鹿は誘われるがままにOKしたに決まっている、帰ってきたらどうやってお仕置きしてやろうか。高崎が上越に連れ去られてから2時間後までは、そんな計画を着々と練りつつ高崎の部屋で部屋の主をじっと待っていた。
しかし2時間半を過ぎたところで、宇都宮は腰掛けていた高崎のベッドから腰を上げた。
遅い。呑みにいったのだからある程度の時間はかかるにしても、基本2時間くらいだ。これが気の合う仲間同士ならまだしも、上司と部下ならそれくらいが頃合いというものだろう。
意気投合すれば2軒目にはしご、ということもないではないが、上越も高崎も朝の早い仕事だ、翌日に仕事があるとわかっていてそこまでの深酒はしない。第一、高崎はそこまで酒が強くないのだ。本人は酒好きなのでついつい飲みがちだが、2軒も回ったらまず間違いなく翌日起きれなくなる。
あるいはもう店は出たけれど酔い潰れてどこかで寝てしまっているのか―――それともまさか。
想像したくもないが、あの上越が一緒なのだ。自分の事については無防備すぎる高崎が酔いも回って更に鈍感になれば、上越に言葉巧みに操られてほいほいと上官の後をついていってしまってもおかしくない。もしもそのまま流されてしまったら、酔っている上に相手が上司でしかも快楽に弱い高崎は、抗う事なんてできない。
と、そこまで推測して、いてもたってもいられなくなり宇都宮は携帯を片手に部屋を飛び出した。
万が一上越の部屋にでも連れ込まれていたら打つ手なしだが、まだどこかの店にいるなら連れ戻す。相手が上官だろうが構うものか、明日の運行を盾にすればどんな理屈だって通る、いや、通す。
部屋に鍵を掛けたところで、宇都宮は携帯のアドレスから二番目の登録を呼び出し、直接電話をかけた。
上越と高崎は仕事上がりで飲みに行った。ならばこの周辺の飲み屋で間違いない。だが流石に都心である、深夜とはいえ酒の出る飲食店は星の数ほどある。いくら宇都宮といえど、その1件1件を虱潰しに探すわけにはいかなかった。
それなら彼らが行きそうな場所を絞り込み見当をつけるしかない。幸い、その情報を持っている者になら、心当たりがある。
数回コールを待つと、「東北だ」と無愛想な声が耳に届いて宇都宮は自然と身を引き締めた。
「宇都宮です、夜分遅く申し訳ありません」
「どうした」
「高崎が、上越上官と飲みに行ったっきり戻ってきません。失礼ですが、上越上官はもう部屋に戻られていらっしゃるか、おわかりになりますか?」
「いや、その様子はない。まだどこかで飲んでいるんだろう」
「そうですか。では、上越上官がよく通われている店がどこか、ご存知でしょうか?迎えに行こうと思うので」
「過保護だな」
宇都宮が問うと東北が微かに小馬鹿にしたように鼻を鳴らした。
「高崎もいい大人だろう、そこまで面倒見なくてもいいんじゃないのか」
「いえ、高崎は酒好きの割にあまり酒が強くないので、酔い潰れて上越上官にご迷惑をおかけしても申し訳ないですし。それにあまり飲み過ぎると、明日の運行に差し支えますから」
宇都宮が伝家の宝刀を抜くと、東北もこれには異論を唱えることはできなかったのか、小さなため息が聞こえてきた。やがて、数件の飲食店の名が場所と共に伝えられる。
「俺も行こう。お前の心配とは逆に、あの馬鹿が高崎に迷惑をかけてるかもしれんからな」
「ご協力いたみいります」
東北が来てくれるなら心強い。仮にも上官相手だ、上越を高崎から引き剥がすのにどういう手を使うか思案どころだったのだが、これなら話は早い。
それにしても東北は誰がどこでいつまで飲もうと気にしないタチかと思っていたが、そうでもないらしい。宇都宮を過保護と嗤うくらいだ、「放っておけ」とでも言われるかと思っていたのだが、まさか自ら迎えに来るとは意外だった。
いや、他ならぬ上越のことだから…か。
東北は普段こそ無愛想だがこと上越が絡んだ事についてだけは手をかける、というか面倒見が良い。人には過保護だと諫めておきながら、自分だって上越には相当甘いのだ。
想う相手の世話を焼きたがるのは東北地方の人柄か。
己の上官の意外な一面を垣間見た宇都宮は薄く微笑すると、まずは教えて貰った数軒のうち最も宿舎から近い店舗へと足を急がせた。
その直後に高崎から携帯に電話がかかってきて店の場所が判明し、助けを請うてきた高崎を救い出しに現場へと急行し、上官から何とか高崎を奪い返して現在に至る。
宇都宮は露わになった高崎の肌へと指を滑らせた。
首筋から鎖骨、そして胸元へ。くるりと色の異なる部分を円を描くように触れてみたが、高崎は小さく身動いだだけで目は覚まさなかった。そこで今度は唇を寄せ歯を立ててやったら肩が震えて高崎の瞼が開いた。
「ん……あ…?うつ…?」
まだ酒の抜けていない赤らんだ顔で、高崎がぼんやりとした目で見つめてくる。そうして視界に映るのが百年も連れ添ってきた相棒だとわかると、安心しきった顔で微笑みのろのろと両手を目の前にある首にかけた。
「ごめんな…今日…」
「ホントだよ、デートはすっぽかすしあげく他の男と行った飲み屋に迎えに来させるなんて。この貸しは高くつくよ?」
「うん、ごめん…ありがと」
くん、と高崎の腕に力が込められ首を引きつけられる。流れに逆らわず顔を寄せてやると、高崎は少しだけ頭を浮かせて宇都宮に唇を寄せてきた。やんわりと唇を重ねてくるのに宇都宮は一瞬だけ軽く目を瞠るも、すぐに小さな笑みを浮かべて高崎の舌を求め口腔を探り出した。ほどなく高崎が求めに応じてきて、互いに引き寄せるように舌を絡め一層深くなる。
「借りは…返す……まだ、夜は長いんだ…ろ?」
キスの合間に高崎が吐息と共に囁く。それは宇都宮が上越に投げつけた台詞だ、酔い潰れていた割に、ちゃんと聞いていたのか。
宇都宮はふふ、と楽しげに笑って熱くなっている高崎の身体を抱きしめた。酔って素直になっているのか、高崎の腕が宇都宮の背中に回り抱き留める形になる。
「そうだね。だから、覚悟しておいてね」
そうして2人は身体を寄せ合い、もう一度深く蕩けるように口づけを交わすと、長い夜の旅路に旅立つのであった。

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