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紙/端/国体劇場(青/春/鉄/道)様の二次創作ブログ。 初めていらした方はまず「このブログについて」をごらんください。
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久しぶりにSSアップです。セントラル様の行きがけにポメ様で書いてたんだけど、色々忙しくてなかなかアップできませんでした。

お題の2話目です。わ、忘れてたわけじゃないのよ、書く時間がなかっただけで…っ(汗)
うつたかで、ちょっぴり大人な雰囲気です…多分。

ついったで話してる色んなネタが頭でぐるぐるしてるんだけど、それを形にする時間が全くないです。
まとまった時間が欲しい…
 


 カーテンの隙間から差し込む光で目が覚める。
 宇都宮はぼんやりと顔を頭上に傾けると、枕元に置かれている目覚まし時計を見た。時刻は昨夜セットしたアラームの10分前、二度寝の余裕はなさそうだ。宇都宮は布団の中から手を出すとアラームを鳴らすことなくスイッチを切った。宇都宮の部屋の目覚まし時計は存在こそしているものの、その機能が使われることがあまりない。当人が習慣で大体鳴る少し前に起きてしまうからだ、今のように。
 もっとも、隣で寝てる相棒はたとえ残り3分でもいぎたなく寝ようとするだろうが。
 宇都宮は伸ばした手を頭にやって腕枕にすると、隣で寝こける高崎の顔を目を細めて眺めた。
 隣で寝ているにも関わらず、高崎は横で動く気配にはまったく気づく様子もなく熟睡している。起きている時は目尻がきつく上がり、「怖い」と称されがちな顔も眠っているとまるで少年のようにあどけなくて、可愛らしい、と宇都宮は評価している。まあ宇都宮の場合、高崎が寝てても起きてても笑っても怒っても可愛い、と言い切るのであまりアテにはならないのだが。
 宇都宮は顔全体から個々のパーツへと観察を続ける。薄く開いたやわらかな唇、意外に肌触りのいい頬。目尻から頬にかけてほんのりと筋が見えるのは、昨夜の名残だった。昨晩は、というか昨晩もたくさん泣かせてしまったから。
 高崎と身体を結ぶようになってから随分と経つのに、未だに情事中の高崎の色香は強烈な麻薬となって宇都宮を狂わせる。そのせいでつい高崎を限界まで乱れさせ泣かせてしまう。
 普段がさつで色気のいの字もないくせに、そういう時だけ魔性に変化するするのだから、高崎はタチが悪い。
 宇都宮はそっと手を伸ばすと、うっすらとついた涙の跡を指でなぞった。
 すると眠りが浅くなってきていたのか、指先のすぐ傍で睫毛が震えて、黒曜の瞳がのろのろと開いた。
「あ…うつ……?」
 ぼんやりとした視界に見慣れた顔が映るのに、高崎がその名を呼びかける。半分夢の中からかかる声は起き抜けである以上に昨晩の影響で掠れていて、宇都宮の背筋にぞわりとしたものを走らせる。
「おはよう高崎」
 目尻をなぞった手でそのまま頬を撫で、柔らかく声をかけ微笑みかけると、無邪気な笑顔が返される。もうしばらくして脳味噌が覚醒してくると、もうこんな風に微笑んではくれなくなってしまうので、これは起きた直後だけの特典。
 ただ、眼福として済ませるにはいささか刺激が強すぎる時があるのもまた事実で。
 枯れた声で囁かれた後に至近距離でそれを見せつけられてしまうと、宇都宮としても自身の身体に火が灯るのを自覚しないわけにはいかなかった。
 宇都宮はまだ寝ぼけている高崎の上に多い被さると、また瞼の落ちかけている高崎の唇を塞いだ。
「ん……んぅ…?」
 触れる唇の心地よさに初めは正しく夢見心地だった高崎も、舌を絡められ、深くなっていくにつれようやく異変を悟る。寝ぼけていた頭がシグナルを発する頃には、宇都宮によってすでに寝間着の奥へと指先を忍び込まれた後あった。無防備だった肌を直接まぐられて、吐息が漏れる。
「ちょ…おま、何朝から…」
 弱い場所を的確になぞってくる宇都宮に、高崎は非難がましい口調で問い質し、覆い被さる身体を押し返そうとした。が、その手を逆に捕らえられるとシーツの上に拘束されてしまう。
「高崎がいけない、朝から可愛い顔してそんな甘えるように僕のことを呼んだりするからだよ」
「そんなこと、してねぇ…っ」
 覚えのない罪をなすりつけられ高崎はぶるぶると頭を横に振り否定したが、そもそも高崎の言い分など宇都宮が聞く耳を持つはずなどなく。
「責任取って、僕を鎮めてよね」
「や…今から!?だって、も…起きる時間…」
「大丈夫、ご飯食べる時間削れば。後でお昼奢ってあげるから」
 食べることが大好きな高崎の楽しみを奪う発言を笑顔で言い切り、宇都宮が鎖骨に唇を落とす。高崎は一瞬息を詰め、一瞬迷った後に宇都宮の頭をくしゃりと手でかき混ぜた。
「……行きがけにカロリーメイトも、買えよ…っ」
 そうして高崎は宇都宮の頭にやった手をそのまま下ろして首に絡めると、ため息とともに身体の力を抜き宇都宮にその身を預けた。

 二人がベッドを抜け出すのは、どうやらもう少し後になるようだった。

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