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や、唐突でもないのか、某呟きで友人がイラスト描いてくれると言ったんで、妄想が広がったんでした。
―――来たのは今の所GZだったけど(笑)<勘違いしていたらしい
実のとこJR(というかほぼうつたか)に愛が偏っているんですが、メトロならZHも好きだったりします。
大型わんこと苦労性。加えて銀座様が引っかき回すともっと楽しい。基本銀座様攻。
あるいみ半蔵門は攻めでも宇都宮とは正反対ですね。攻めだけど可愛い。
いや宇都宮が可愛くない、って言ってるわけじゃないよ、あれはあの歪み方がとても可愛いんだ。
ちなみに都営はユーザーですが、いかんせんあのおっさんに毎日振り回されてるのかと思うと腹立たしい限りなので、萌えない(苦笑)。京急と京成出てきたら考えるけどね…<一次でやれよ
「…それじゃ、今年もよろしく」
春のダイヤ編成改定に伴う会議を終え、日比谷は東武、東急、それに半蔵門と会議室を出てきた。
三社乗り入れはダイヤが複雑で、少しの変更でも調整が大変である。ことに東京メトロは2~3分間隔で運行をしている、その上両端を東武、東急と繋いでいる身としては一番気を使う立場で。
緻密な計算と細かい修正の連続に肩ががちがちになった気がして、日比谷は肩に手を当てた。ゆっくりと首を回すと、ぱきり、と小気味良い音が鳴る。
同じように両腕を天に向けて伸ばし、大欠伸をしている赤いツナギの男に、日比谷はふわりと微笑みかけた。
「お疲れ様」
「んー、ああお疲れさん」
腕に「日光」の腕章をした東武日光は、声に反応してちらりと日比谷の方へと視線を向ける。が、視線が合ったのも束の間、相手が日比谷とわかると日光は軽く手を上げすぐに背を向けてしまった。まるで日比谷にはまったく興味がないかのように。
単にそれは帰る方向が日比谷達メトロと真逆だからなだけなのだが、後ろ髪など微塵も引かれる様子のない日光に、日比谷は苦笑した。
昔から日光はそうだ。最初から日比谷になど目もくれていない、彼の目に本当に映っているのはただ一人だけだ。かつてはそれが辛い時期もあったが、今ではもう日比谷も諦めている。
日光の相変わらずの素っ気なさぶりにそれ以上かける言葉もないまま、日比谷がその背を見送っていると、不意にその腕を強く掴まれた。
痛みに振り向けば、むすっと拗ねた顔をした半蔵門が横に立ち、日比谷を引っ張り歩きだそうとしていた。
「俺たちも帰ろ」
「ちょ、引っ張るなよ痛いよ」
メトロのホームへと向かうべく、早足で進む半蔵門に日比谷は腕だけ持って行かれて駆け足になりながら横に並んだ。
いつもは暢気な笑顔を浮かべている半蔵門が、口を閉ざし眉を歪めている。日比谷は己の腕を振って振り解こうと試みたが、半蔵門はがっちりと掴んだまま、離してくれそうにもない。日比谷はため息をつき、ふてくされた横顔に声をかけた。
「痛いってば、離せよ半蔵門。お前、なに怒ってるんだよ」
「だって日比谷、ずっと日光のこと見てた」
日比谷の方を見ず、口を尖らせ投げやりに言葉を吐く半蔵門のその様は、いかにも拗ねてます、といった感じで。
わかりやすい感情表現に日比谷は一瞬呆気にとられ、それから眉を寄せながら困ったように笑った。
「見てた、ってちょっと帰りに挨拶しただけじゃないか」
「ウソだ、会議中もずっと日光の方ばっかり見てた。俺ずっと見てたんだからな」
「見てないよ。そりゃ会議だから、向こうが話してる時には視線を向けてたことくらいあるけど、別に日光だけ見ていたわけじゃないよ。第一、それを言ったら半蔵門だって伊勢崎のこと可愛い可愛い、ってへらへらとしながら見てたじゃないか」
会議の前に伊勢崎と顔を合わせた半蔵門が、本人に向かって今日も可愛いなぁ、と呟いていたのを日比谷は聞いている。それを指摘してやると、半蔵門はちがーう、と首を大きく振って反論した。
「伊勢崎ちゃんは、可愛いの!別にどうかしたいとかじゃなくて、純粋に可愛いと思ってるから俺はそう言ってるの!でも日比谷が日光を見てる目は違う!」
「半蔵門…」
半蔵門は日比谷の腕を離した。と、思うと今にも泣きそうな顔でその両腕を日比谷の胴に回しきつく抱き竦めてきた。
「ちょっと、半蔵門!こんな人前で…」
いきなりホームで抱きついてくる半蔵門に、日比谷は眉間に皺を寄せその腕の中でもがいた。幸いホームは人がまばらだが、それでもゼロではない。
数人の乗車待ちの客の視線が集中する中、何とかしがみついてくる身体を離そうとする日比谷に、しかし半蔵門は一向にその腕を緩めてはくれなかった。
「日比谷は俺のものなの、俺以外見たらダメ!」
「わ、わかったから…離せ、な?」
流石OKYと言うべきか、周囲などお構いなしで大声を上げる半蔵門に、日比谷は彼を落ち着かせようとやんわりと宥めた。
こんなホームで抱擁していた、なんて報告が銀座に届いたら、大叱責が待っているのは目に見えている。そうならないうちに半蔵門を引き離したい。
だがそんな日比谷の思いなど意に汲むこともなく、腕の力を緩めない半蔵門に、今度はキツめに声を出した。
「半蔵門!」
張りつめた日比谷の声に、流石に半蔵門もはっとしてその腕を解いた。その隙に日比谷は半蔵門の腕から抜け出すと、数歩下がってその手に捕まらない程度の距離を取った。
ようやく自分でも状況を把握したのだろう、半蔵門は悄然としていた。それでも日比谷は警戒を続けながら、これ以上彼を刺激しないように、なるべく冷静に言葉をかけた。
「と…とにかく、場所を変えよう、な?話は聞いてやるから、少し落ち着こうな」
「日比谷ちゃん…」
しょぼん、と大型犬が項垂れているような半蔵門に、日比谷はその明るい色の頭を撫でてやりたい衝動に駆られる。だがここで甘やかしたら元の木阿弥である、ここは心を鬼にしなければいけない。
日比谷はあえて無言で半蔵門に背を向け先を歩き出す。数歩遅れて半蔵門も足を前に出した。
とぼとぼとついてくる半蔵門を気配で確認しながら、日比谷はさてこれからどうしたものかと途方に暮れ、ひとまず一番近くにある密会場所を思案するのだった。
無論その後、二人が当然の如くホームでの抱擁を聞きつけていた銀座に小一時間説教を受けたのはまた別の話。