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紙/端/国体劇場(青/春/鉄/道)様の二次創作ブログ。 初めていらした方はまず「このブログについて」をごらんください。
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週末にうつたか祭ラストUP!と思って書いてたSSがようやく上がりました。
上がったんだけどね…また長いんで2分割なんだ…(苦笑)
どうしてこうすっきりとまとめられないんだろう。

うつたか祭用に書いてたので、当然うつたかです。ほんのちょびっとエロ仕様です。
なんていうかね、オフで作るんだったら指定入れないでいいレベルなんだけど……
小道具が明らかにエロ前提(爆)

そんなわけなのでとりあえずR18前提にしておきます。高校生以下は見ちゃいけません。

しょうがないよね、だって<ベッドの上のお題>でエロ抜きで語るのは難しいんだよ…。
 


 仙台にいた宇都宮は仕事を終えると、携帯を取り出し、馴染んだ動作でかけ慣れた相手へのメール画面を立ち上げた。
 ≪会議終了。そっちには23時頃到着≫
 手短に用件だけを打って、送信する。基本的に宇都宮達路線の場合、メールで誰かに連絡をしなければいけない時はじこや遅延の伝達なので、無駄な文章は一切省く。おかげでその癖がついてしまって、私用メールでもそっけないことこの上ない。
これが普通の彼女なら文句の一つもでるだろうが、そこは送信相手も同業者だ、文章が短いのはお互い様で、特に不満を言われたことはない。それ故に直すつもりもなかった。
 むしろ連絡もなくいきなり帰宅する方が彼にとっては不服らしい。色々準備しようと思ってたのに、とふくれっ面で拗ねるのがまた可愛くて、つい虐めたくなる。
 普段ならそんな拗ねた高崎を構い倒して楽しむのだが、今回はあえてそうせず、宇都宮はメールで連絡を入れることにした。
 何しろ今回の出張はいつもよりも長くて、もう一週間ほど高崎の顔を見ていない。宇都宮は高崎の怒った顔がとても好きだけれど、疲れた体を出迎えてもらうなら、笑顔のがいい。
 宇都宮は東京・大宮支社所属であるが、同時に東北本線として2つの支社に所属している。そのため支社の会議や仕事もこなすため月に何度かは北の地へ出張していた。
 それぞれの支社に立ち寄るだけなら1~2日で往復する。が、複数の支社会議が運悪く連続してしまうと、東京に戻るのも手間なのでそのまま東北地方を巡業するように移動していくことになる。
 今回は正にそのパターンで、普段よりも長期の出張とならざるを得なかったのだった。
 だがこれでようやく責務から解放されて東京に戻れる。
 早く帰って、高崎の笑顔が見たかった。
 会えない時間が長いことに慣れていないわけではない。
 東京から青森までを数時間で繋ぐ現代と違い、昔は単純に路線を行き来するだけだって数日かかるのが当たり前だっった。宇都宮が上野に帰ってきたら入れ違いで高崎が上野を出発してしまい、またさらに数日会えない、なんてこともざらにあった。
 それでも平気だったのに、今はたった数日がとても長く感じる。
 それはおそらく、夜を一人ではなく二人で過ごすことに慣れてしまったせいだ。
 昼間は東京でも大抵が一人だし、仕事をしているのでさして気にはならない。だが夜になって、東北の支社にある自室のベッドに一人転がると、そこにあるはずの温もりがないことに今更ながら痛感してしまうのだ。シングルなのにやけにベッドが広く感じてしまう。
 隣にあるはずの気配がないだけで。
 これが東京にいるなら、一人で寝ていても気にならないのに、出張となると途端に腕が寂しさを覚えるのは、やはり「会いたくても会えない」という思いが余計に募るからだろうか。
 一度出発してしまうと、連絡手段が限られていた昔に比べれば、メールも電話もある今はとても恵まれている。それだけでもマシなのだとはわかってはいるが、それでも会いたいと思う気持ちはなくならない。
 こればかりは高崎と恋人になったが故の寂しさである。今の関係を選んだ以上、甘んじて受け止めねばならなかった。
 メールの送信完了画面を確認して、宇都宮は携帯を閉じ胸ポケットにしまうと、これから乗る自分の電車を待つべく、駅のホームへ移動しようとした。
 と、歩きだそうとした宇都宮の背に、ぶっきらぼうな声がかけられる。
「これから東京か」
 その声に宇都宮は背筋を伸ばし振り返る。見る前から声でわかってはいたが、濃緑の制服が視界に入る。
 声をかけたのは東北上官だった。
「はい」
 宇都宮同様、東北もまた東日本の筆頭としてあちこちの会議に出席している。今回はほぼこの上官と同じ行程を辿った。
  宇都宮が東北の問いを肯定すると、背の低い上官はそうか、と相槌を返してきた。だから何なのだ、と宇都宮は微かにいらっとする。仮にも上司に向かって口が悪いとは思うが、どうにもこの人とはテンポが合わない。まあ、高崎の上司ほどではないけれど。
 それでも宇都宮自ら逆に東北を問い質すことはせず、じっと反応を待っていると、再び東北の口が開いた。
「俺もこの後すぐ東京に戻る。ついでだから乗せていってやろう」
 東北の思いがけない申し出に宇都宮は軽く目を見開いた。
 どういう風の吹き回しだろうか、いつもは同じ方向だからといって新幹線に同乗させてくれることなど殆どないのに。
 即答せず宇都宮が意外そうに東北を見つめていると、ばつが悪くなったのか、言い訳のように言葉を付け足す。
「この時間から在来で帰ったら向こうに着くのは深夜になるだろう。今回の会議は連続していた分、少しでも休息を取っておけ」
「…ありがとうございます」
 まさか上官が自分の休みを気遣ってくれたとは予想しておらず、宇都宮は一瞬返答に詰まった。
 だが早く帰れるのはありがたい。自らの路線とはいえ、確かに在来線で東京まで戻るのは気が遠くなるくらい長い。
 先に前を歩き出す上官に、宇都宮は深く頭を下げた。


…つづく。高崎出てこなかった…。

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